top of page
Hyper Azabu Tano9
秋立ちぬ ②
1960年 東宝 監督:成瀬巳喜男 製作:成瀬巳喜男 シネスコ モノクロ 79分
出演:乙羽信子、加東大介、夏木陽介、河津清三郎、原知佐子、大沢健三郎、一木双葉、藤原釜足、賀原夏子、菅井きん、藤間紫、三田照子、園田あゆみ、小西瑠美、野上優子、草川直也、三浦敏男、西条康彦、桜井巨郎、杉浦千恵
茂子が面接に行った旅館のシーンだ。茂子は写っておらずイメージカットとなっている。店前の電柱に「旅館三島」とあるように、劇中では「三島旅館」という設定なので、今後は三島旅館とする。
同時期の空撮でも確認できたので載せておく。高層ビルや首都高も無く、築地川がゆっくり流れている。
茂子が面接に行った旅館 : 旅館瀬川(銀座プラザビルディング/東京都中央区銀座3-15)
実家に戻った茂子は遊んでるわけにもいかず、知り合いの紹介で近所の旅館に面接に行った。
1969年版住宅地図から。赤枠内「旅館瀬川」が確認できる。この10年後、1979年版住宅地図にはもう名前は無かった。
路地の向こうから地元の悪ガキ達が来た。奴らとは以前新富湯の湯船で乱闘騒ぎを起こしていた。
奥に旧 中央区役所が見える。
秀男が悪ガキたちと出あった路地 : テーラーミリオン前(東京都中央区銀座2-13と2-14の間)
「まずいな・・・」ちょっと足が止まる秀男。
路地の奥に見えるのは竹田ビル。新富橋袂にあったビルと同じ名称だが全く違うビルだ。ビルの前を左右に昭和通りが走る。
竹田ビルについては『ぼくの近代建築コレクション』様のブログに詳しく紹介しているので、ぜひご一読願いたい。
こっちに向かって走ってくる悪ガキ達。これはマジやばい状況になってきた。
「こいつらマジか?」と一瞬疑ったが、「できるよ!」と明るく答えた秀男だった。
昭太郎の仕事を手伝った秀男は、昭太郎からお駄賃をもらい八百常へ帰って行った。
「君い!野球できるかい?」やさしい誘い文句に戸惑う秀男だった。
このシーンで初めて電柱右側に「ミリ」の文字が見える。
この場所のヒントとなったのが2つ上のロールオーバー画像右端の「ミリ」とその右に半分ほど見える文字だ。多分「ミリオ」だろう。そうなると「ミリオン」が自然かな?と考え、新富橋、三吉橋周辺を探し始めた。ほどなくして見つかったのがここだ。
一番見易く周辺もある程度入るということで、1979年の住宅地図を使った。これによるとミリオンはテーラーというのがわかる。実際これだけのことでこの場所と特定していいかどうか疑問は残るが『大瀧詠一氏の「映画カラオケ」のすすめ(月刊東京人2009年11月号)』には
・路地の向こうにあるビルが昭和通り沿いに建つ竹田ビル
とある。私はこの記載を全く読んでいなかったので得意のローラー作戦で探したわけだが、その後、当該記事を読み直し確証が持てた。
秀男と悪ガキ達は街中の空き地に到着。ここで野球をやるようだ。
金網をよじ登る秀男。この後、三角ベース野球が始まった。
そうこうしてるうちに警備員が来てしまった。悪ガキ達は蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
一人逃げ遅れ怒られる秀男。田舎育ちは要領が悪いか・・・・・
非常に難しかったこの場所、『大瀧詠一著「映画カラオケ」のすすめ。(月刊東京人2009年11月号)』には
・昭和通りと三原橋の間にあった帝国興信所の創業者、後藤武夫の私邸跡。
・戦後は戦中軍に接収されアパート。
・昭和35年に取り壊され空き地に。
とある。正直これだけでは何のことかさっぱり分からない。具体的に大瀧氏の決め手となったのは
・フェンスの背景に映っている屋根が円形の建物だそうだ。この建物が一番上のロールオーバー画像に写っている建物だ。
帝国興信所の創業者、後藤武夫の私邸は上の火保図の赤い部分で確認できる。右隣の南胃腸病院は、その後、癌研~現在の銀座ブロッサムへと変わった。この空き地はその後、銀座東急ホテルハイヤー部駐車場~東急銀座ビルと変わり、2008年に東急銀座二丁目ビルが竣工し現在に至っている。高級外車が置いてあることから、撮影当時は銀座東急ホテルハイヤー部駐車場だったと思われる。
悪ガキたちが野球をした空き地 : 銀座東急ホテルハイヤー部駐車場(東急銀座二丁目ビル/東京都中央区銀座2-15-2)
空き地に向かって走ってくる悪ガキ達。
画像中央にてっぺんが半円突き出したビルがある。ビル名は不明だが現在も残っているようだ。詳細は『ぼくの近代建築コレクション』様のブログにて「おっかさん弁当」のビルとして紹介しているので、ぜひご一読願いたい。
アンカー 1
アンカー 2
アンカー 3
アンカー 4
アンカー 5
アンカー 6
bottom of page